なぜ今3中学校統廃合なのか?(Why streamlining the three junior highs now?)

みなさん、こんにちは。

暖かな今日、庭の拳(こぶし)が白い花をたくさん咲かせています。
正に、年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず、の感です。

コロナに悩まされた1年後に見る拳は、一層まぶしく感じられます。

さて、もう皆さんもご存知のように、甲州市は今後5年間で、大和中学校、塩山北中学校、松里中学校を廃校にし、大和中は勝沼中に、塩北中と松中は塩山中にそれぞれ統合すると、昨年の12月市議会直前に新聞で報じられました。

大和中を令和4年の4月1日をもって廃校とする旨の地元説明会が、1月と2月に行われました。大和中学校に在籍する父兄を始め町民は、突然の統廃合計画に驚き、説明会でも「なぜ、コロナ禍の今なのか」「7割の保護者の賛成というが、アンケート手法に疑問がある」「通学の利便性を考えれば、勝沼中ではなく、塩山中に通うことは認められないのか」等々の多くの疑問・意見がでたと伺っています。

そもそも、12月定例市議会に諮る前に、「3中学校統廃合」という重大な政策変更を新聞発表するのは「議会軽視」です。市民の代表である市議会が、このことについて疑義を呈さなかったことも驚きです。

少人数教育に対する教育長の熱き想いと自信を、何度も本会議の席上直接耳にしてきた私としては、突然の方針転換に驚くとともに、昨年2月の鈴木市長の選挙期間中の発言との違いにも首をかしげるばかりです。

市長は2020年2月1日「甲州青年会議所」主催の「市長選挙公開討論会」(ウェブ上で今でも見れます)の中ではっきりと、「地域の意見を聞き、PTAとも話し合い」「学校再編の問題については、慎重に進めていく」と明言されていたからです。

因みに私は、単に財政上の観点から「行政主導で行ってはならない」と主張しました。中長期的な教育ビジョンを作成した上で、市民の理解と協力を求める案件だ、とお話ししました。

一般的に、市の行政方針が大きく変わる場合、市民に対してきちんと説明し理解を得なければなりません。ましてそれが教育に関わる事柄の場合は、将来の人口増減、地域の活性化とも密接に関連するので、地域住民の理解は必要不可欠です。

私は市議会議員の時から一貫して、「本市の小中学校の統廃合は、年間約130人前後の出生数では避けて通れない問題なので、統廃合の先にこんなより素晴らしい教育を展開します、と教育ビションを示した上で、段階的・戦略的に行うべきだ」と申し上げてきました。しかし、今回の突然の3中学校統廃合計画は疑問だらけです。

5つの疑問

1.1年後も3密を避け自粛生活を続けるコロナ禍の今、さらに子どもたちにも感 
   染しやすいと言われる変異ウィルスの拡大が懸念される今、なぜより生徒が
   密集する「統合」を急ぐのでしょうか?

2.文科省は従来より学校のICT(情報通信技術)化を進めており、開発中の新たな
 教科書にはオンライン教材がつきます。つまり、今後の教育は「対面」と「リ        モート」の2方向で行われるのが分かっているのに、なぜ今大人数教育を指向
 するのでしょうか。

3.地域の中心である大規模公共施設としての中学校を、廃校後どう利活用する         のかの計画が示されないのはなぜでしょうか。

4.本市の財政状況が極めて厳しいのは常識です。3中学を廃校にする財政上の
   メリ ットを遙かに上回る「給食費の無償化:年間約1億1千万円」も発表され    ました。無償給食は持続可能でしょうか。

5. 中学校の統廃合の先には、当然小学校の統廃合が待っています。3中学校を
  一気に5年で統廃合するなら、その先の小学校統廃合計画も、つまり13小学
  校も含めた総合教育ビジョンを示す必要はないのでしょうか?全体計画を示
  した上で、個々の小中学校の統廃合議論をした方が、市民の理解は進むので
  はないでしょうか?

長くなりましたが、市民の皆さんとも今後「中学校統廃合問題」について一緒に勉強していきたいと思いますので、ご自由に電話やメールでご意見をお寄せください。よろしくお願いいたします。

第3波を上回る再拡大が起こらないよう、私たち一人一人が注意して参りましょう。
それでは、また。
素敵な1日をお過ごしください!
See you. Have a splendid day!
(A plus tard. Bonne journe’e!)